Entrepreneur Engineering Society
本研究会の目指すところは、事業創造を目指すアントレプレナーシップ(起業家精神)に基づき、技術戦略と経営戦略を統合し、技術シーズから事業化に至る動的なプロセスにおける課題を見出し、かつその課題に対する解を提供する方法論を体系化することです。知識から市場に製品、あるいはサービスが提供されるまでのプロセスは各種「技術シーズ」が経営リソースと結合しながら市場に提供される製品・サービスに至る下流への流れと、「市場ニーズの認識」からシーズ側への上流への流れの2つの流れから形成されます。製品展開プロセスにおけるクリティカルな部分はこの2つの流れが交差するところであり、アントレプレナーシップを触媒として新たな価値創造・新結合を生み出す発火点でもあります(下図参照)。本研究会は事業化プロセスに関する多様な事例研究を通じて起業工学を確立するとともに社会で活躍できるアントレプレナー育成に貢献することを目的としています。
母体である映像情報メディア学会の取り扱う技術分野を中心として、技術的、非技術的を問わず、シーズから事業に展開するプロセスに関する研究を対象とする。典型的なトピックは以下のものを含みます。
情報通信技術革命を背景に大きく変革する世界経済のなかにあって、日本の経済や社会には抜本的な構造改革が必要とされている。価値創造の原点が上流にシフトする知識経済・社会へ向けて「企業から起業へ」、「組織から個へ」とパラダイム変換が起こりつつある。映像情報メディア技術革新と、この経済、社会構造の変換をあわせて捉える新しい研究領域「起業工学:アントレプレナー・エンジニアリング」を提案し、その研究会の設立を要望する。米国ではすでに、IEEEの中でENGINEERING MANAGEMENT SOCIETY として、このような概念を包含し、研究会、学会、論文誌の発行など活発な活動がなされている。日本では歴史的、文化的背景から、“個”をベースとした“アントレプレナー:起業”という概念の活動や研究が米国にくらべ著しく遅れている。本学会が技術と経営の融合を新しい学問領域“起業工学:アントレプレナー・エンジニアリング”として捉え、学会としての活動を開始することは真に機を得たものである。ここに研究会の設置を提案する。
発起人:水野博之(高知工科大学)、杉本昌穂(パイオニア)、浜口智尋(大阪大学)、倉重光宏(松下電器)、加納剛太(高知工科大学)
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